【まいど大阪「春のプチ車音祭」2024 & 5th New Style Meeting Sound Park in 堺浜】開催イベントについて★★★
● お知らせ
2/13(火)〜3/5(火) エントリー受付期間
課題曲(全8曲)
●聴きどころ(小原先生)
声量と表現力に卓抜したヴォーカリストだ。大きめのヴォーカル音像は、ハスキーな声質のせいもあって、強めのリヴァーブを伴って大きく染み通るように広がる。
伴奏はピアノのみだが、ヴォーカルとほぼ同等の扱いで、左右のスピーカー間に跨るようにワイドに広がる。声の瑞々しさやコーラスの分離と合わせて、楽曲全体のアコースティックな質感、オーガニックなムードを尊重した再生を心掛けたい。
●聴きどころ(秋山先生)
恥ずかしながら、「テディ・スウィムズ」というシンガーソングライターを初めて知った。いわゆる「歌ってみた系YouTuber」として2019年頃から活動していたようだが、そのワイルドな風貌にビックリ。そして、その歌声を聴いて二度ビックリである。
スパイシーなハイトーンボイスと、ウェットな低音ボイスを併せ持ち、今回の課題曲でも深いリバーブ空間のなかで、ピアノを伴奏にエモーショナルに歌い上げる。ボーカルの音像を頭内定位ではなく、フロントガラスの少し向こう側から発せされているように調整するのが鍵になる。音場は半球体でリスナーを包み込むように、ステレオ再生でありながら、空間オー
ディオのようなイマーシブ体験を車内で実現したい。
前奏で僅かに聴こえる椅子がきしむような演奏ノイズも隠しチェックポイントだ。
●聴きどころ(岩井先生)
今年本格的にブレイクするであろう、テディ・スウィムズの力量を実感できる、愛と喪失をテーマとしたバラードである。ソウルフルで適度なウェット感を持ったボーカルと、ウォームな響きを奏でるピアノだけで構成された一曲。
力強いボーカルは、その厚みと倍音による口元のエッジ感、鮮度良いウェットな艶感をバランス良く両立したい。サビのコーラスの分離感、ボーカルにかけられたリヴァーブのニュアンスをいかにトレースできるかもポイントとなる。特にピアノの響きは独特で、右チャンネル側に低域弦の豊かな響きを配置。
まるで右手前側にせり出しているような表現だ。このピアノの低域成分は相当低い帯域まで伸びており、ベースのように作用するため、楽曲のグルーヴ、躍動感に繋がっている。またそのアタック感も重みがあり、ハーモニクスも豊かに表現。適度なアタックのクリアさと、密度の濃い響きのシームレスさ、エナジー感を両立することが求められる。
●聴きどころ(小原先生)
第一楽章の厳かに始まる序奏部、静かなティンパニの打音を曖昧にしないように。コントラファゴットやコントラバスを軸とした低音楽器の合奏がゆったりと歩を進める。
ここまでのハーモニーとリズムは、暗く、寂し気に、沈滞したムードではあるのだが、揺るがぬ安定感と微動だにしないテンポが車内の再生音から明確に感じ取れるかが最大の肝。2分40秒辺りで転調して悠然たるスケールになり、その力強さを維持したまま3分20秒辺りまで聴きたいと思わせてくれればベター。
小澤の指揮は、まるで何かに取りつかれたように思いの丈を込めている。
●聴きどころ(秋山先生)
偉大なマエストロ「世界のオザワ」が遺した名演奏、名録音は枚挙にいとまがないが、なかでも、長い療養生活から本格復帰を果たした本作『奇蹟のニューヨーク・ライヴ』は特に人気が高く、これまでにSACDやSHM-CDでもリリースされてきた名盤である。中庸な帯域バランスに、スムーズで厚みのある音触。
ステージとの距離感は近すぎず遠すぎずで、過度なホールトーンも収録されていない。スローペースな第1楽章だけを聴くと、再生難易度が高い楽曲には思えないかもしれないが、評価ポイントはズバリ、静けさのなかに込められた小澤征爾の気迫の指揮と、それに呼応するサイトウ・キネン・オーケストラのうねりのような演奏が、最終楽章の感動的なフィナーレをどれだけ“予感”させられるか?
つまりは、全楽章を通したシステム調整がマストということになる。奇蹟のカーオーディオ・サウンドを響かせてほしい。
●聴きどころ(岩井先生)
2010年、復活を遂げた小澤征爾が固い絆で結ばれたサイトウ・キネン・オーケストラとともにカーネギー・ホールの舞台に立った名演である。
緻密かつきめ細やかな抑揚のコントロールにより、力強さと繊細さの均衡が取れたサウンドであり、音場の密度感、ハーモニーの融合感も高い。各パートの重層的な配置を解像感良く描くとともに、濃密な中低域のエネルギーをいかに分離良くナチュラルに再現するかがポイントとなろう。音場の響きも上質で残響時間は少なめだが、後半、会場内で咳払いする観客の様子も立体的であり、横方向への広がりも豊かであることがわかる。
1分30秒からのティンパニの抑揚感、打感の歯切れ良さ。その後2分から登場するオーボエ、フルート、ストリングスと続く静かなシークエンスの解像感と個々のパートの描写性、空間の情報量をどのように表現するか。これに対して2分42秒から再びティンパニが入り、雄大に奏でられるオーケストラのエナジーとの対比、ダイナミックレンジのコントロールも肝要となる。
審査員
【★ サウンドAクラス】
- ※CDもしくは、CD音質データのwavファイル、ハイレゾもOK
- 【審査委員】 ジパング道祖尾さん、アンティフォン松居さん【トロフィー本数】 10本
【★ サウンドBクラス】
- ※CDもしくは、CD音質データのwavファイル、ハイレゾもOK
- 【審査委員】 サウンドフリークス佐藤さん【トロフィー本数】 10本
【★ サウンドCクラス】
- ※CDもしくは、CD音質データのwavファイル、ハイレゾもOK
- 【審査委員】 イングラフ木村さん【トロフィー本数】 10本
【★ サウンドDクラス】
- ※CDもしくは、CD音質データのwavファイル、ハイレゾもOK
- 【審査委員】 ルロワ小山さん【トロフィー本数】 10本